落葉文集

落ちて廃れた言葉の連なり

生活困窮日記 1〜2日目

■0日目のあらすじ

 バイトの内定が決まり、無職からフリーターへ昇格した喜びもつかの間、6月分の収入が振り込まれる7月中旬までの生活資金が不足していることに気づき、めちゃくちゃ焦る。

zero-sugar.hatenablog.jp

 

■1日目

 前日の昼から生活に緊張感が生まれ、空腹を感じることもできず、この日は朝食も食べずに市役所へ向かう。

 事前の調べによると、我が国には「生活困窮者自立支援法」なるものが制定されており、生活保護に至る直前の段階に突入した者は公的機関の支援を受けながら自立を目指すことができるらしい。
 私が在住する自治体では、借入金制度(生活福祉資金)や家賃給付(住居確保給付金)などの制度が整っているようで、また生活困窮者向けの相談支援が予約なしで受けられるとの情報を市のサイトから得られたので、私の状況はそれら制度の利用ができる状態なのかを相談すべく、まず市役所へ向かおうと判断する。
 担当の相談員によると、
「家賃給付や借入金制度を利用するにはハローワークに週一で通うなどの一定の就職活動をする必要がある」
「借入金制度の管轄は市役所ではなく市の社会福祉協議会である」
とのことで、とりあえずこの日は制度説明を聴いて相談を終了した。
 その後、市役所内で年金保険料や住民税が払えないことの相談を各窓口で済ませ、帰宅する。 帰宅途中に寄ったスーパーで新たまねぎが1個33円で売っていたため3つ手に取り、50円のしめじと一緒に購入した。
 自宅にて早速社会福祉協議会へ電話をし、翌日に面談をさせてもらう予定を入れた。この日にできることは特になくなったため、前日から作り始めた収支予測を微調整しながら今後の生活の行方を憂い、ミネラルウォーターなんて贅沢品だと思いながら水道水を喉の奥に流し込む。

 

■2日目

 午前から社会福祉協議会へ借入金の相談をしに行く。制度の説明、必要な書類、借入金制度を利用するために市の住居給付を受ける必要がある、などの説明を受ける。
 借金をする前に市役所管轄の住居給付を受けなければいけないとのことで、午後は前日に引き続き市役所へ向かう。 社会福祉協議会の担当者が市の相談員に電話連絡しておくとのことだったため、話の引き継ぎはスムーズだった。
 市役所にて、悩みや不安を打ち明けたり、何かと迷いが生じたりでなんだかんだと3時間ほど相談をさせてもらい、とりあえず住居給付の申請をさせてもらうことになった。必要な書類に、ハローワークで交付してもらうものや、賃貸物件の管理会社に書いてもらうものなどがあるため、それらを集めた後に再訪することを約束する。帰りに食料支援として、賞味期限が直前の非常食を支給してもらう。午後の大半を私の相談に費やしてくれた相談員の方には頭が上がらない。

 住居給付の申請をするにあたり、今後はハローワークにて就職活動をしなければならないことがほぼ確定し、ここまで5ヶ月続けて一切実らなかった就活に疲れ一旦アルバイトをしながら休養しようとしていた私のプランは崩壊する。
 6月からのアルバイトと就活をどう両立させるか、万が一早めに正規雇用での内定がもらえた場合は始めたばかりのバイトにどうけじめをつけるか、などに頭を抱えることになる。アルバイトとはいえ、雇ってもらってすぐに辞めるって無責任すぎやしないだろうか。私には変に義理堅い一面もあるがゆえに、こうした妥協が下手だったりする。

 市役所の相談員、友人やSNSのフォロワー、親や兄弟など、とりあえずなんでもいいのだが、困ったときに親身になって支援をしてくれる人がいると心から救われる。具体的なアドバイスはもちろんだが、直接的な助言でなくても、声をかけてもらえるだけで焦りや不安から解放されることができる。今後、金銭面でかなり苦しい生活を送る必要があるが、お金がないことを理由に人付き合いを断ることはなるべく避けたいと思っている。お金がなくても人は大切にしていきたい。そして、身近な人が何かに困ったときに側で力になれる存在に、いつか自分もなっていきたいと思う。

 支えてくれる、心配してくれる人たちへの感謝を思いながら、NetflixApple Musicなどの解約手続きをすませた。

 

■3〜4日目

zero-sugar.hatenablog.jp