落葉文集

落ちて廃れた言葉の連なり

生活困窮日記 7〜9日目

■6日目までのあらすじ

 ハローワーク就労支援員の精神的マッチョジジィを絶対に認めません。

zero-sugar.hatenablog.jp

 

■7日目

 2回目の工場派遣のバイトへ行く。
 前回は清掃業務だったが、この日は缶ビールの缶に傷がついていないかチェックする作業だった。目の前で缶ビールを扱いながら、気の迷いで開栓してしまわなかった点は実に立派だったと思う。
 同じ検査グループにいた若い女性が、なんとなく高校の頃に片思いしていた人の顔に似ているような気がして自然と目で追ってしまう場面が何度かあったが、知らない人の顔をじっと見るのはよろしくないので目で追ってしまう自分に気づいてからは自制した。というか単純作業を黙々とやっていると無心へ近づけることもあり、4〜5ヶ月後に控える家計の赤字への不安もろともに全ての感情を一時的に消し去ることに成功する。
 これは余談だが、高校の頃に片思いをしていた人のことをいま思い返すと別に好きではなかったような気がしており、当時から違和感こそ抱いていたのだが、いまはっきりと思うのは、あれは人間自体に対する好意ではなく単にルックスの良い人物に対する羨望の思いだったのだということだ。
 私は大体、性別問わずに見た目の優れた人の顔を見ると「この人の見た目になりたい……」と思う癖があり、それはやはり憧れという意味での好意でしかない。

 

■8日目

 6月からのバイトや借入金の申請に必要であるため、住民票の写しをもらいに市役所へ行く。手数料に500円徴収される。
 帰りに駅へ寄り、定期券を購入する。
 PASMOの発行にクレジットカードが使えないことを知り(窓口で頼めば使えるのかもしれないけど券売機では使えなかった)、6月の生活費を憂いながら現金を降ろす。が、いま現金で払おうと、クレジットで払って来月の支払いにしようと給料が入るのは再来月であるためそう大差はない。
 どうせ苦しいものは苦しいのである。
 スーパーマーケットにも立ち寄り、お金がなくても甘いものは食べたいという気持ちで氷砂糖1kgを購入する。
 帰宅して早速食べるが、氷砂糖を口に放り込む手が止まらず、バカのペースで糖分を摂取し続けることになる。氷砂糖1kgが1週間すらもつ気がしない。
 帰宅してから、市と提携している民間の人材紹介会社に電話をし面談の予約をする。ハローワークの就労支援員が信用できない以上、人材紹介会社を頼りにするしか手段が残されていない。

 

■9日目

 市役所から支給してもらった非常用のおかゆを朝食にすると楽であることに気づく。
 これまでの間も主に昼食としておかゆを食べてこそいたが、所詮非常用ではあるためやはり物足りなさは感じていた。その物足りなさも、朝食としてなら許容範囲で済ませられることがわかった。それでも物足りないのは物足りないのだが。
 例によって『美味しんぼ』を数話見た後、このブログ記事を書いている。氷砂糖をモリモリと食べながら書いている。
 生活困窮日記と題して、今の自分の生活を反省しながら状況を簡単に記録していこうという試みなのだが、これまで以上に本当にただの日記であり、変わったことを一切書こうとしていないため、他人が読んで面白いものとは到底思えず、ブログとして公開している意味があるのかと問われればはっきり言ってないのだが、公開している方が継続させられそうだし、単純にブログとして好き勝手に文章を書くのが好きであるために良しとする。作文をするのは楽しい。
 1日目から9日目までこの日だけで書ききった。今後はどのペースで更新するかわからないが、ぼちぼち記録しながら少しずつ生活を立て直していければと思う。
 記事を書いている間に、明日申し込んでいた派遣バイトの断りの連絡が入った。
 預金残高は10万円を切った。明日も暇である。

 

■10〜11日目

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