無自覚活動記録

幸せになりたい

アホな目標を設定するとやる気が出てくる

 今年に入り、将来についての漠然とした不安が、頭の上から地へ押し付けるかのように、重く重くのしかかってくる、そんな感覚がある。頭を押さえつけられてしまっているため、視線を上に向けることもできなく、前を向くのも精一杯、目に付くのは自分の足下ばかりだ。

 

 足下を見つめる、いまの自分の状況に至るまでの経緯を振り返ると、本当にろくでもない生活を送ってきていたな、という思いばかりが浮かび上がる。

 幼少期から目標を立てるのが苦手で、小学生の頃からいまのいままで遠い将来のことなんて考えたこともなく「将来の夢を書きましょう」といった授業の際は、渡された用紙を埋めることすらできなかった。日々の生活ですら、消化試合のように覇気なく過ごしていたため、例えば「テストの点数で学年10番以内に入る」「部活の大会で入賞する」といった短期的な目標すらなかった。なにか打ち込むような物事が一切なく、なんとなく学校に通い、なんとなく授業を受け、なんとなく同級生とふれあい、なんとなく部活に励み、世界に関心を示さず、意思という意思も存在しないまま、無駄に毎日を過ごしていた。何かに熱中している人たちを羨ましく思いながらも、どこか遥か遠い、自分には手の届かない存在のように感じた。

 

 いまなお、目標、将来の夢、自分のしたいこと、こういったものを掲げるのが容易でない。自分のやりたいことがあっても、これまで何もしてこなかった自分、何も培ってこなかった自分が、この先に何かできるわけないだろ、そんな考えが先行してしまう。

 

 そんなこともあって、近頃は人に会う機会があれば将来をどう考えているか、積極的に訊いてみたりする。訊くと、大体ちゃんとした考えが返ってくる。多くの人が、将来について何らかの考えを持っていることを実感し、劣等感が更に増す。参考にしようと人に訊いてみているものの、やはり将来の展望というのはその人のバックグラウンドに根付いているため、これまでの22年で何も培ってきていない自分に今更なにができるんだ…と思考が元に戻ってきてしまう。

 世の中の人、みんな考えてるし、実行してるし、なんというか、ちゃんと生きてる。自分が本当にしょうもない人間だなと、みじめな気持ちになる。

 

 そんな中身空っぽな自分を顧みて、なんとか少しでも中身を詰めようと、最近本を読むようになった。闇雲に本を読んでいく中で、人間の意識とか存在とか、人と人とのつながりや社会のあり方とか、人間的な分野に面白みを感じることが分かってきた。ほんのわずかに教養を蓄積しただけだが、自分の関心の方向性が分かり、そこから自分の目標も定まった。

 

 【人間を全クリする】

 

 これ。いまの私はこれを、人生の目標にして生きていきたいと考えている。めっちゃバカっぽい。

 

 この目標は、インターネットで目にした「死を全クリしてから、死に挑みたい」といった旨の意見をオマージュしているのだが、これで気付いたのは「アホっぽい目標は設定しやすいし、それだけでなんかウケるし、ウケるからやる気が出る」ということだ。

 

 例えばだ。毎日コツコツと生きるのは大変である。起きるのがツラい朝、混雑した通勤電車、面白みのないルーチンワーク、嫌な上司、客からの苦情、長い残業、帰宅して食事をすればもう寝る時間、寝てしまえばすぐさま嫌な朝が来る、そんな毎日。自ら生を放棄したくなることもあるかもしれない。【毎日を精一杯生きる】という目標は困難だ。

 では、この目標をバカにしてみよう。昨晩読んだ本に「天の川銀河アンドロメダ銀河は約45億年後に衝突する」と記載していた。これを読み私は「うわっ、銀河同士が衝突する瞬間観てみたすぎる」と思った。ここで目標を立てる。

 

 【45億年先まで生き延びる】

 

 真面目に考えればアホだ。しかし、この目標に込められたロマンを感じ取ってほしい。【毎日を精一杯生きる】より【45億年先まで生き延びる】の方がワクワクしてこないだろうか?後者の目標を立てている人間の方が人生を楽しんでいる感じがしてこないだろうか。

 

 この調子でいくと“全クリ”というワードは非常に便利である。なんでもすぐさまバカにできる。

 

 「関心のある分野を学びたい」からではなく「学生を全クリする」ために受験勉強に励む。当然、学生を全クリするためには小中高大学と確実に進まなければならないだろう。また、受験勉強だけでなく、進学後も勉学にもしっかり励み、部活やサークル、学校行事などにも精を出していかないと“全クリ”には達せないだろう。

 

 「希望に沿った仕事をするため」ではなく「就活を全クリする」ために就活をする。ちょっと本質を見失っている気もするが、大切なのは遊び心である。この目標を立てた人は、多分面接官のことをジムリーダーと呼ぶだろうし、内定のことをバッジと呼ぶだろうし、入社式のことを殿堂入りと称すだろう。必ずしも内定獲得が絶対命題ではないため、お祈りメールにも屈しない。それもまた、就活全クリに向けたアイテムの一つなのだ。

 

 平凡なサラリーマン全クリ。満員電車内でのかわしスキルの上達、パワーポイントでめっちゃいい資料を手際よく作る、稀に会議で決定的な発言をする、昼食代を500円以内に抑える裏技の取得等々をクリアした後、上司あるいは会社の不正を糾弾でもすればよいだろうか。

 

 上司の全クリ。不正に気付いた部下の後始末を巧くやる。

 

 契約社員の全クリ。契約満期の際、同僚にめちゃめちゃ惜しまれ、その後も職場の飲み会に度々誘われるようになる。上司の不正は見なかったことにする。

 

 

 UHA味覚糖社員の全クリ。日本人の主食をごはんからグミへ移行させる。

 

 落合陽一の全クリ。日本人の主食をごはんからつぶグミへ移行させる。

 

 つぶグミの全クリ。ソーダ味を生産中止し、ピンクのパッケージ一本で売り込まれる。 

 

 シゲキックスの全クリ。グミ界王者の座をこの先も譲らない。

 

 

 もう何がなんだか分からなくなってきました。

 あなたは何を全クリしたくて人生を送っているでしょうか。

 私は、アホなこと言ってないで現実をしっかり見て堅実に生きた方がいいと思います。