落葉文集

落ちて廃れた言葉の連なり

続・生活困窮日記 第一話

■前期までのあらすじ ・仕事を辞めた・次の仕事が半年近く決まらなかった・貯金が尽きそうになった・生活が困窮している様子をブログに書くことにした・一ヶ月程度で飽きた zero-sugar.hatenablog.jp zero-sugar.hatenablog.jp ■続・生活困窮日記 第一話 仕…

夢見る頃を過ぎても──映画『空の青さを知る人よ』に寄せて

※本記事は映画『空の青さを知る人よ』のネタバレを一部含みます 夢を見るとき、人は夢だけを見ているのではない。多くの人は、夢に付随する副産物もまた夢想する。──樋口恭介(佐川恭一『受賞第一作』あとがき より) 多くの者は夢をみる。未来に理想の自己…

夏の幻、瞳閉じて

明日のわたしは、今日のわたしと違うかもしれません。でも、明日のわたしも、あなたを好きなままであることを自分自身の証として、支えとして生きることを望むと思います。 『美亜羽へ贈る拳銃』伴名練 1 いまの私と、思春期だった私 今年で24歳となった…

私の腕を切り落としたい

自意識が強くあらわれてしまうことが苦手だ。私は自意識を嫌悪してしまう。己の自意識に気づくと、その嫌悪から死を渇望してしまう。身体を粉々にし、意識を分散させたくなる。 例えば、ひとに会う。ある特定の他者を積極的に意識すればするほど、他者と対峙…

生活困窮日記26〜31日目

■25日目までのあらすじ 『海獣の子供』を観た。 zero-sugar.hatenablog.jp ■26日目 午前、ホットケーキミックスを使ってマグカップケーキをつくる。 即席ココアが余っていたことを思い出す。牛乳や卵によって液状化したホットケーキミックスにココアパウダー…

生活困窮日記25日目

■24日目までのあらすじ 塩キャラメルラテのアンチになる。 zero-sugar.hatenablog.jp ■25日目 6月もちょうど半月過ぎた。 今月分の食費を確認すると15日時点で4,173円と上々のペースで過ごせているような気がするが、この間は母から送られてきたレトルト食品…

生活困窮日記22〜24日目

■21日目までのあらすじ 『オズの魔法使』はおもしろい。 zero-sugar.hatenablog.jp ■22日目 午前、徒歩30分先にある業務用スーパーへ向かう。納豆3パック39円を6つ購入する。納豆の商品化に際し、からしの付属が定着したのはなぜだろうかと疑問に思うが、調…

生活困窮日記20〜21日目

■19日目までのあらすじ おいしいコーヒーを飲んだ。 zero-sugar.hatenablog.jp ■20日目 朝から雨が降っている。天気予報を見ると傘や雲の記号が並んでおり、梅雨へ突入したことを察する。 約2年前、傘を持つことをやめてみようと思い、玄関に溜まったビニー…

生活困窮日記18〜19日目

■17日目までのあらすじ 文章を書くことは楽しいし、お酒を飲みながら人と話をすることも楽しい。 zero-sugar.hatenablog.jp ■18日目 生活を心配してくれた友人が宅配便を届けてくれた。箱を開けると華やかながら重みのある香りが鼻の奥を通り抜ける。箱の中…

生活困窮日記16〜17日目

■15日目までのあらすじ 19万円を手にして調子に乗る。 zero-sugar.hatenablog.jp ■16日目 ここのところ、暇な時間はゲーム実況動画を観て過ごすことが多い。特にゲーム実況者牛沢氏の動画は頻繁に再生しており、ここ数日は牛沢氏によるThe Sims 4の実況動画…

生活困窮日記14〜15日目

■13日目までのあらすじ 財形貯蓄解約により19万円の収入を手にし、収支予測から赤字が消えたことによって生活が救済されたが、「生活困窮日記」なるタイトルで記事を書き続けるのはあまりに大げさな状態となり、近いうちに記事タイトルの変更に踏み切るべき…

生活困窮日記12〜13日目

■11日目までのあらすじ アルバイトがスタートした。 zero-sugar.hatenablog.jp ■12日目 この日も朝からバイトへ向かう。まだ2日目ということもあり、ひたすらレジ対応業務に専念させられるが、空いた時間にドリンクの作り方を教わるなどする。 バイト先には…

生活困窮日記10〜11日目

■9日目までのあらすじ お菓子代節約のため氷砂糖をモリモリ食べている。 zero-sugar.hatenablog.jp ■10日目 この日に応募していた派遣バイトが不採用だったため予定こそ特にないが、翌日から始まる定期のバイトへの不安でソワソワを隠せずに時を過ごすことに…

生活困窮日記 7〜9日目

■6日目までのあらすじ ハローワーク就労支援員の精神的マッチョジジィを絶対に認めません。 zero-sugar.hatenablog.jp ■7日目 2回目の工場派遣のバイトへ行く。 前回は清掃業務だったが、この日は缶ビールの缶に傷がついていないかチェックする作業だった。…

生活困窮日記 5〜6日目

■4日目までのあらすじ 何もしていない時間が怖いから単発の工場派遣バイトに参加した。 zero-sugar.hatenablog.jp ■5日目 特に予定もなく、この日は日曜で市役所も開いていないため、不安を抱えながらもなんとかリラックスに努めた。 午前はアマゾンプライム…

生活困窮日記 3〜4日目

■2日目までのあらすじ 市の住居給付制度を利用することを決断し、6月から始めるアルバイトと就職活動の両立に悩むことになる。 zero-sugar.hatenablog.jp ■3日目 早くも水道水の味に慣れてきた。ペットボトルに容れて冷蔵庫で冷やせば普通に飲めるものである…

生活困窮日記 1〜2日目

■0日目のあらすじ バイトの内定が決まり、無職からフリーターへ昇格した喜びもつかの間、6月分の収入が振り込まれる7月中旬までの生活資金が不足していることに気づき、めちゃくちゃ焦る。 zero-sugar.hatenablog.jp ■1日目 前日の昼から生活に緊張感が生ま…

生活困窮日記 0日目

再就職を目指し約半年ほど御社各位にボコボコにされ続けた結果、結局6月からアルバイトをする形に収まったのですが、6月分の給料が振り込まれる7月中旬まで収入ゼロが続くことにバイト内定をもらって初めて気づいた私は、7月までの生活維持が困難すぎること…

いまだに職が決まらない話

相も変わらず求人サイトを眺め、気が向いた企業に応募を出し、時には面接を受けるなどを挟みながら、お祈りのメッセージを受信する日々を重ね、一向に私という個人に必要性を見出してくれる企業様に出会えない状況に肩を落とし、出会えないというか私に価値…

傘の所持を放棄した話など

ここ1〜2年ほど私の鉄板トークになっているもので「傘の所持を放棄した話」というのがある。 内容は単純。雨が降っている日、傘を持って外出しても帰りにはどこかへ置きっぱなしだったり、置きっぱなしにしているもんだから雨が降った日に自宅に傘がなくわ…

近況をただだらだらと書いただけのやつ

〈1〉 再就職先を見つけるべくマイナビへアクセスし求人検索をする。いくつかの求人を眺め、この企業が行う事業は本当に世に必要なことなのだろうかと、知ったような顔をして偉そうに難癖をつけながら、結局求人を眺めただけで何かを達成した気になり満足気…

彼の人が好きなaikoの曲は『えりあし』だった

〈1〉 未来は無限で現在は永遠、だがそれも過去と化せば一瞬だ。今日あるものは明日もそこにあると無意識に信じてしまうが、自然は常に流動し続ける。常に空を見上げていても同じ形の雲を見つけることはできないように、私自身もどこかになにかの変化が生じ…

退職後の近況(再就職先を探すにあたってのあれこれなどを)

<1> 昨年いっぱいで職を辞し、最近は再就職先を探す活動に励んでいる。いや、“励んでいる”とはあまりに誇張な表現。自由という錯覚を覚えながら穏やかな時間を過ごす日々の中で生活費という現実に少しずつ身体を蝕まれ、削られた身体のほころびをたまに確…

12月25日のやつ

クリスマスが今年もやってくる。やってこない年もあったのかもしれず、今後一切やってこない可能性も零ではない。少なくとも今年は例年通りクリスマスがやってくる見込みであり、その証拠にクリスマスに照準を合わせるように経済は廻っており、都市はクリス…

逆立ち

逆立ちをしている。 もちろんいま逆立ちをしながら文字を打っているという意味ではない。逆立ちとはすなわち通常の起立状態とは上下反対に直立する行為であり、逆立ち中において手は床ないしは地面とぴったり触れ合っている。その状況で文字を書くことなぞ到…

会話のリハビリ

9月末に休職期間延長の書類手続きに際して職場へ赴き課長と少し話をして以来、クラブへ遊びに行ってどんどこ音楽が鳴り響く中で会話をする機会こそあったけれど、ゆっくり腰を据えて長尺の会話をする機会が遠退いているなと気づき、振り返ってみると課長との…

人が人を好きになるとき対象のどの面に対して好意的感情が発生するのかを考えたところで多くの個人は大変な多面性を有し、場面に応じて使い分けながら社会を生活しており、また、その多面性の中で相反する要素を同時に抱えることも往往にしてある。好きな人…

「あ」

キーボードを叩く、ディスプレイに文字が表れる。Aのキーを押す、「あ」の文字が表れる。続いてAのキーをそっと押してみる、変わらず「あ」の文字が表れる。今度は力を入れてAを押してみる、やはり「あ」の文字が表れる。そこに表出される「あ」はどれも均一…

出不精

根っからの出不精引きこもり体質であるものだから、なんらかの強制力でも働かないとワンルームの一室から一歩外に出ようなんて気にはさらさらならない。なんらかの強制力のひとつが労働であったわけだが労働をストップしている身分であるため、ついつい一日…

自宅療養

いろいろあり9月末まで休職と相成っていたが、その後もいろいろあり年内休職という形に落ち着いた。この状況や私の精神状態が果たして落ち着いたといえるのかと疑問が生じていることも事実ではあるが、それは言葉のあやというやつである。 言葉というのは利…